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商会・商館の活動規制強化へ

 交易品は、いつ、どの都市で、どれだけ必要になるかわからない。供給不足の噂を耳にし、いざ産地から膨大な量の交易品を運んできてみれば、既に同じ考えを持った商人たちによって供給過多になっており、悔しい思いをした方も多いことだろう。そのため商人同士での情報共有のための商会に加入し、主要都市に位置する巨大な倉庫を持った商館を利用できるようにするのは、ある種のステータスともなっていた。しかしこのたび、商会・商館の維持管理を行っているIEOK(International Earning Occupation Koei)により、その条件が見直されることになった。


・設立から1週間以上経過しているが、製品版アカウントのキャラクターが10人未満である商会
・メンバーの除名・脱退・キャラクター削除・名声減少が生じた場合、新条件で判定されます。新条件は、商館を購入した際の必要人数、会員名声合計と同様になります。


 本告知は週に一度の休養日明けに突然行われたが、ここで云う「製品版アカウントのキャラクター」が何を示しているのか不明のためIEOKには問い合わせが殺到した模様。本紙の問い合わせに対しIEOKの報道官は、「製品版アカウントのキャラクターとは、単純にキャラクターを指す。同一アカウントの2キャラクターが同一商会に加入していた場合でも、それは2人としてカウントされる」と語った。これに対し記者が「アカウント」や「キャラクター」の意味を問いただしたところ、「何故そのようなことを云ったのかわからない」などと意味不明なことを話している模様。


 そもそも本見直しの背景には、IEOK自身の管理体制に問題がある。現状の商会・商館は一都市での設立許可数が決まっており、その空きは登録商会が解散した場合にしか発生しなかった。そのため後発商会は遠方都市でしか商会を設立できず、また商館も手に入れることが難しかった。


「仕方がないんですよ」と、ロンドンの商館管理業務に携わるA氏は云った。「日に何百って樽が運び込まれるんです。とてもこれ以上、商会や商館を増やすことはできませんよ」。人員を増やせばよいだけでは? という本紙の問いに対しては、「そんなことは私に聞かないでください。私だって毎日毎日、残業なんかしたくありませんよ」と怒りをあらわにした。


「だいたい、商館を倉庫代わりに使うこと自体がおかしくありませんか?」と話すのは、遠くカリカットでようやく商会を設立できたというB氏。「そもそも商館は、自分たちの手に入れた商品を、効率よく皆さんに提供するための公共施設なはずです。それを投機のための倉庫に使うのは公共の利益に反しています」。


 一方、登録日の前日から並びリスボンの商館を手に入れたある商会の代表者は云う。「せっかく苦労して手に入れたのに、今のままじゃ人数が足りなくて没収されてしまうよ。おかしな話じゃないか?」。公共施設論に対しては、「興味ないね。苦労して手に入れたんだから、その分稼ぐのが当然だろう?」と答えた。


 商館の公共施設論、またIEOKの管理体制など問題は様々だが、これらに対する一つの回答が今回の規制強化なのだろう。しかしながらこの措置については既に賛否両論が沸き上がっており、更なる議論を呼びそうだ。

ジェノバ海戦

 地中海の要衝ジェノバを巡る大海戦。地中海はジブラルタル海峡を抑えるポルトガル・イスパニアの分割統治が続いており、これに割って入ろうとするイングランドが拠点を求めるため勃発した。海戦には初参戦となるイングランドの軍事力を見極める意味でも、重要な戦いとなることが予想された。


 Euros及びNotosは、先のカサブランカ海戦において圧倒的な軍事力を見せつけたポルトガルとの覇権を巡る戦いとなった。補給線が短いという優位から物量において勝るポルトガルは、ジェノバ及びピサ方面に陣を引く。一方のイングランドは首都ロンドンにおいて艦隊編成を行い、ビスケー湾を経由し続々とフランス領マルセーユに集結する。戦闘開始直後、イングランドは精鋭をジェノヴァに突撃させると同時に、ボニファシオ海峡、ピサ方面からの三方面作戦を展開させた。これに対しポルトガル艦隊はジェノヴァ近郊に集結し数の利を生かそうとしたが、これが逆にあだとなった。三方面から自在に攻めるイングランドに対し、一カ所に全艦隊が集結しているポルトガルは船舶同士の密集状態から不意の艦隊離脱が相次ぎ、指揮系統が混乱。操船がままならく、辛うじて混戦状態を抜け出した艦隊も一方的にイングランドに各個撃破された。そのためポルトガルは一部精鋭艦隊をピサ方面に分散させたが、序盤に受けた被害を覆すことはできず、結果としてジェノバはイングランドの手に墜ちた。しかしながら終戦後、ポルトガルはジェノヴァに対し猛烈な投資攻勢を仕掛けている。ジェノバ有力者からも地中海における圧倒的な支配力を持つポルトガルからの離脱を懸念する声も上がっており、ここ数日はジェノバの趨勢は目が離せない状況だ。


 一方のZephyrosにおいては、前回の大海戦において圧倒的な国力の弱さをさらけ出してしまったイスパニアが、悲壮な覚悟で数少ない同盟港を守ろうとする総力戦に打って出た。戦術はEuros及びNotos同様、三方面から攻めるイングランドを水際で守るという戦いとなったが、カサブランカ海戦の教訓を生かしたイスパニアは艦隊編成を綿密に行い、力で押し切ろうと突撃を繰り返すイングランドを精鋭艦隊を中心として冷静に各個撃破した。これにより序盤のイングランドは甚大な被害を被ったが、新興国故か戦況を打開しようとするも戦術が徹底されず、数に勝るイングランドと戦術を生かしたイスパニアとの互角の戦いが続く。終盤、僅かな優位を見取ったイスパニアが一斉攻勢に出たが、カサブランカ海戦の傷を残すイスパニアには勝利を確定的にする余力は残っていなかった。結果として僅差でイスパニアがジェノバを守り通したが、双方とも被害は甚大で今後の投資戦略に影響が出ることは明らかだろう。前回の大勝利のまま力を蓄えているポルトガルが、ここで一気に投資攻勢に出てくる可能性が高い。(Notos:中の人)

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