第7回大海戦-あるいはカサブランカ秋の体育祭- | The Great Voyage Times

第7回大海戦-あるいはカサブランカ秋の体育祭-

[Notos 20日 gin] フアン・ザーネンはネーデルランド国籍の航海者だが、大海戦に適用される国際条約が全く見直されなかったのは残念な出来事だ。大海戦に関してはワールドごとに状況が違うようだが、Notosにおいては問題は早くから表面化していた。


 誤解を承知で単純にすると、大海戦の問題点は2点に集約される。


・安全海域で待機する通称青ゾーン作戦
大艦巨砲主義 による中小艦艇の無力化


 問題のとらえ方は人それぞれであり、強力な海軍を有する国家の航海者と、数的不利な国家の航海者では考え方は違うであろう。優勢な側からすれば青ゾーン作戦を取ること自体が大海戦が小規模な限定的局地戦に陥った原因であるし、劣勢な側からすれば青ゾーン作戦しか数的劣勢で取る作戦がないのが問題である。


 大艦巨砲主義については新任士官や武装商人の活躍の場が制限されるなどの批判があるが、これも各人によって意見が分かれるところではある。古参の上級士官にしてみれば「海戦に参加してすぐに撃沈されるのが嫌であれば、日々鍛錬すれば良いだけである」というだろうし、それ以外の軍人や商人にしてみれば「撃沈されるのが嫌なのではない。撃沈されることによって、国家全体の足を引っ張ってしまうのが嫌なのだ」という具合だ。


 どの意見が優勢であるにせよ、現在の大海戦をめぐる国際条約は多くの問題を孕んでいるのは間違いないようだ。


 第7回大海戦の舞台はカサブランカ。イスパニア・フランス連合とポルトガル・ネーデルランド連合の戦いとなる。しかしご存知のようにカサブランカには珍しい交易品はなく、水や食料の補給先としてもそれほど重要な港ではない。現在の大海戦で重要な港を争うことを、イスパニアは避けたのだと見ることができる。もちろん、古参のイスパニア人が語り草とし、イスパニア人が団結を呼びかけるときに引き合いに出されるカサブランカの悲劇。(第1回大海戦の敗戦)。この雪辱を果たそうとするための準備には抜かりがない。しかし悲壮感よりは、高揚感の方が勝っている。そうして少しの寂寥感も混じっている。


 今回の戦いにおいて、イスパニアとポルトガルの軍人代表同士の話し合いにより、戦闘海域分割などの協定が結ばれようとしていた。最終的に締結には至らなかったものの、国際条約で許されるあらゆる手段を用いて勝利を目指すという雰囲気は薄れて、かわりに技量を競い合おうというお祭りのような空気に包まれている。


 ともかくも大海戦とは、多くの航海者にとって希有な楽しみが得られるイベントであって欲しいと願いたい。